令和8年度最低賃金の引上げ額の目安はAランク54円、BCランク56円に

注目の最低賃金引上げの目安が、昨日(2026年7月28日)の中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告で以下の通り、示されました。
【Aランク】54円
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
【Bランク】56円
北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
【Cランク】56円
青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

最低賃金については以下の3要素を中心に議論が行われますが、そのポイントは以下のとおりとなっています。
(1)労働者の生計費
消費者物価が引き続き上昇局面にある中、食料など生活必需品を含む支出項目に係る消費者物価が継続して高いことに着目するが、その上昇率は、昨年より鈍化していることを考慮する必要がある。
(2)賃金
昨年に引き続き高水準の賃上げとなっており、中小企業を含めた賃上げの流れが継続していることを考慮する必要がある。
(3)通常の事業の賃金支払能力
売上高経常利益率等の賃金支払能力に関する項目が改善傾向にある。一方、依然として賃上げ原資の確保が難しい企業も存在している。

各都道府県の最低賃金は今後、地方最低賃金審議会で審議されることになります。地域間格差の縮小も大きなポイントとなっていますので、Cランクの県を中心に最終的な引上げ額がどうなるかについては引き続き注視していきましょう。

[参考:注目のEU指令に関する言及部分]

  • EU指令においては、最低賃金の水準の適正さを評価するための参照指標を用いることとされ、例として、賃金の中央値の60%、平均値の50%などがあげられている。日本における賃金の中央値に対する最低賃金の割合について見ると、OECDによる2025年の数値は46.4%であり、フランスの62.5%、イギリスの61.9%等の先進国と比較すると我が国の最低賃金は低い水準となっている。
  • ただし、賃金構造基本統計調査に基づき、2025年時点(2025年度最低賃金全国加重平均額1,121円)の所定内給与で試算した場合、一般労働者の賃金中央値の61.2%、平均値の53.0%となるが、OECDの国際比較と同様、ボーナスや残業代を含めて時給換算した場合は、中央値の50.0%、平均値の42.4%という結果になっている。
  • 一方、EU指令の取扱いについては、中央最低賃金審議会「目安制度の在り方に関する全員協議会」における「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」(令和8年6月23日)において、「一定の時間をかけて議論を尽くす必要がある」とされており、引き続き検討すべき課題である。

参考リンク
中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(令和8年7月28日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001729624.pdf
厚生労働省「第75回中央最低賃金審議会 資料」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75021.html

(大津章敬)