53%がAI面接に対する印象について良いと回答

近年、採用選考における「AI面接」の活用に注目が集まっています。「選考業務の効率化」や「評価基準の統一」といったメリットが期待される一方で、「求職者からの印象が悪くなるのではないか」「人柄が見抜けなくなるのではないか」と導入に踏み切れずにいる企業も少なくありません。そこで本日は、エン株式会社が同社サービスのユーザーを対象に実施した「AI面接に関する調査」(調査期間:2026年6月3日~6月30日、有効回答数:1,172名)の結果を見ていくこととします。

調査結果によると、AI面接に対する印象について「良いと思う(非常に良い+良い)」と回答した求職者は全体の53%と半数を超えました。これを年代別で見ると、以下の通り若年層を中心に非常に高い受容性を示しています。
全体:53%(非常に良いと思う:12%、良いと思う:41%)
20代:75%(非常に良いと思う:24%、良いと思う:51%)
30代:56%(非常に良いと思う:15%、良いと思う:41%)
40代以上:50%(非常に良いと思う:10%、良いと思う:40%)

若年層で際立つ高さを見せているものの、もっとも低い40代以上でも半数が好印象を抱いており、世代を問わず定着しつつあることが分かります。

現在、実際にAI面接を受けた経験がある求職者は全体の7%にとどまりますが、今後の受検意向については53%が「受けてみたい(ぜひ+機会があれば)」(20代:62%、40代以上:52%)と回答しています。

[AI面接で良かったこと]
実際にAI面接を経験した求職者(7%)が挙げた「良かったこと」のトップは以下の通りです。

  1. 時間の自由さ(53%):「仕事終わりに夜間でも受検できて便利だった」
  2. 緊張感の和らぎ(25%):「人間の面接官より緊張せずに話せた」
  3. 質問の分かりやすさ(14%)

また、今後AI面接を受けてみたい理由としても、「時間と環境を自分で選べる(45%)」や「面接官の主観ではなく公平に評価されると思う(44%)」が上位を占めました。現職中で忙しい求職者にとって、時間や場所の制約を受けずに受検できる「タイパ(タイムパフォーマンス)」の高さに加え、人間の面接官のバイアス(偏見や相性)に左右されない「客観的で公平な選考」が魅力として評価されています。一方で、AI面接に消極的な求職者が挙げた懸念点には、採用側の運用上の注意点が明確に現れています。受検に後ろ向きな理由の上位は以下の通りです。

  1. 評価軸が分からない(56%)
  2. 人柄や熱意がAIに正しく伝わるか不安(51%)
  3. 社風や担当者の雰囲気を知る機会が減る(45%)

求職者は「AI面接そのもの」を拒絶しているわけではなく、「ブラックボックス化された評価基準」や「一方的な機械的やり取りによる感情・熱意の不透明さ」「自社との相互理解の不足」に不安を覚えていることが読み取れます。

これらのデータから、人事担当者がAI面接を導入・運用する際に実践すべきポイントは次の3点に集約されます。
(1)選考プロセスの透明化と事前のアナウンス
事前案内の段階で「どのような観点・質問でAI評価を行うか」を明確に提示し、不信感や評価軸の不明瞭さを払拭する。
(2)選考フェーズに応じた役割分担(ハイブリッド化)
母集団形成や初期選考(1次面接等)ではAI面接を活用して応募者の利便性と選考スピードを高め、動機形成や見極めが必要な中盤~最終選考では人間の面接官がじっくり対話し、社風や熱意を伝え合う。
(3)「対話型AI」などの柔軟なシステム選定
一方的な一問一答形式ではなく、候補者の回答に対して柔軟に深掘り質問ができる「対話型AI」を採用し、緊張をほぐしながら本来の魅力を引き出す工夫をする。

AIによる「利便性と公平性」を活用しながら、後続のフェーズで人間ならではの「情熱やエンゲージメント」を担保する。このハイブリッドな選考体験の提供こそが、求職者の辞退を防ぎ、優秀な人材を獲得するための重要なカギとなるでしょう。


参考リンク
エン「「AI面接」に関する調査(2026/7/31)」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2026/46157.html

(大津章敬)