2018年比で約5.8倍と激増している50代の転職者数
かつては転職限界年齢35歳などと言われた時代もありましたが、近年は40代以上の人材の転職が増加している印象を受けます。そこで本日は、エン株式会社が発表した「ミドルの転職 転職者分析レポート2026」から35〜59歳のミドル世代の転職の状況を見ていきたいと思います。
(1)激増するミドル・シニア転職
まず目を引くのは、転職者数の圧倒的な伸びです。2018年と比較して、2025年の35〜59歳のミドル世代の転職者数は約2.5倍に増加しました。とりわけ50代の伸長は凄まじく、7年間で約5.8倍という非連続の拡大を見せています。
(2)ミドル・シニア転職における年収アップの現実
さらに、転職に伴う賃金変動データに注目すると、転職後に年収が10万円以上増加した割合は全体で48%に達しました。年代別に見ると、40代では53%と半数を超え、50代においても42%が年収アップを実現しています。「中年期の転職は減額リスクが高い」という従来の定説は完全に崩れつつあります。
- ミドル世代全体の転職者数 2018年比約2.5倍
- 50代の転職者数 2018年比約5.8倍
- 年収増加率(10万円以上UP)全体 48%(40代: 53% / 50代: 42%)
この背景を分析すると、企業の深刻な構造的人手不足とDX・事業変革の加速があると考えられます。年功序列や新卒一括採用を前提とした人事制度は限界を迎えており、経験とスキルを持つ即戦力ミドルの需要が急増しています。しかし、データが示す年収アップの光影には注意が必要です。評価されるのは単なる「在籍年数」や「肩書き」ではなく、「異環境でも再現可能なポータブルスキル」や「新しいテクノロジー・文化への適応力」です。過去の成功体験に執着する人材は放置され、自らのスキルをアップデートし続ける人材だけが正当に評価される「市場価値の二極化」が進んでいます。今後の展望ミドル転職の常態化は、企業に対して従来の賃金体系や退職金制度の見直しを迫っています。労働者が「自立したキャリア構築」を求められる時代だからこそ、企業も年齢にとらわれない人事諸制度制度を整え、双方にとって健全な雇用の流動性を確立することが不可欠でしょう。
参考リンク
エン「『ミドルの転職』転職者分析レポート2026(2025年実績)」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2026/46379.html
(大津章敬)

