経済産業省「人財ニーズ調査」に見る採用ミスマッチの現状とICの進展

 昨日、経済産業省より平成16年度「人材ニーズ調査」の結果が発表された。そのポイントとしては、人材ニーズは拡大しているものの、中小企業を中心に約4割が未充足に終わっているミスマッチの現状が明らかになっている。

 

 募集に対して採用に至らなかったミスマッチの要因は、63.3%が「能力・経験・資格」といった「個人の実力・資質」であり、年齢や雇用形態等の「条件」は8.0%にすぎない。企業が採用時に最も重要視する項目としても「性格・思考」(19.7%)、「対人能力(18.7%)、「基本的業務能力」(10.3%)、「基本ビジネススキル」(2.0%)といった「基本能力・性格・思考」を挙げる企業が多く、全体の50.7%を占めている。なおこれに対し、「実務経験」は23.9%、「資格」は11.3%に留まっている。

 

 こうした結果よりも注目したのは、業務委託へのニーズの高まりである。企業の人材ニーズにおいては専門職・即戦力というポイントが高まっており、大きなミスマッチが起きているが、専門性や職務経験が重要な意味を持つ職種を中心に「業務委託(個人)」へのニーズが51.1%の大幅な増加を示している。今後はIndependent Contractor(独立請負人)の契約体系・業務環境の整備が急務となるということを改めて実感した。

 

(大津章敬)