厚生年金の未加入事業所はハローワークで求人できない恐れあり

 昨日、厚生労働省から「ハローワークにおける厚生年金への加入が明示されていない求人への社会保険事務所と連携した対応等について」が報道発表された。これによると、厚生年金保険への加入が義務づけられている事業所で加入していない事業所については、下記の取り扱いがなされる。


1 厚生年金に係る取扱い


 (1)事業主に対する周知・啓発の徹底
   ア 制度・加入条件のポイントを解説したリーフレットを提供・配布。
   イ 加入に係る求人条件の明確化等について社会保険事務所での相談を勧奨。


 (2)加入が適正に明示されていないと思量される求人事業主への対応
   ア 求人条件の変更、社会保険事務所への自主的な相談を指導。
   イ 必要な場合は事業主に関する情報を社会保険事務所に提供し指導を要請。
   ウ  社会保険事務所からハローワークに指導結果の連絡。
   エ  加入の条件が適正でなく是正の意思がないことが確認されれば求人取消。


2 労働保険に係る取扱い
 労働保険(労災保険及び雇用保険)の保険関係の成立に係る手続を行っていない求人事業主等に対する指導を、労働局との緊密な連携により引き続き徹底。指導に応じず是正の意思がない場合、求人取消。


 これまでは厚生年金保険に適正加入していない事業所についてもハローワークで求人(無料)を行うことができたが、今後についてはハローワークでは求人を行うことができない可能性も出てくる。社会問題となっている社会保険の適正加入推進の対策としては、未適事業所との接点という点で一定の効果が期待できるであろうが、結果的にそうした企業の雇用創出の機会を奪う可能性もあり、影響は少なくないであろう。


(宮武)