「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」衆議院で審議スタート


 17日の衆議院本会議で「労働安全衛生法等の一部を改正する法律案」の審議が始まりました。今日はこの法律案のポイントを簡単にまとめてみましょう。
1.労働安全衛生法の一部改正
 (1)危険性・有害性の低減に向けた事業者の措置の充実
 (2)過重労働・メンタルヘルス対策の充実
   事業者は、一定時間を超える時間外労働等を行った労働者を対象とした医師による面接指導等を行うこと
2.労働者災害補償保険法の一部改正
 複数就業者の事業場間の移動、単身赴任者の赴任先住居・帰省先住居間の移動を、通勤災害保護制度の対象とすること
3.労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正
 有期事業に係る保険料のメリット増減幅(現行±35%)を継続事業と同じ±40%とすること
4.労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部改正
 (1)「年間総実労働時間1800時間」を目標とする労働時間の短縮の推進を図る法律から、労働時間等の設定を労働者の健康と生活に配慮したものへ改善するための法律に改めるとともに、法律の題名等を改めること
 (2)「目標」を掲げる「労働時間短縮推進計画」(閣議決定)をやめて、事業主の参考とする「指針」を厚生労働大臣が定めることとすること


 新聞報道では4の(1)の年間1800時間の件が大きく取り上げられていたが、私が実務に大きな影響を与える可能性があると注目するのはそれよりも1の(2)の長時間労働における保護措置や2の通勤災害の範囲の拡大。労働安全衛生法というと非常に技術的でマニアックなイメージがありますが、今回の改正内容については注目したいと思います。


(大津章敬)