ハローワークの時間外サービスが拡充されています


 全国のハローワークでサービス向上のため、受付時間の延長や週末の開庁などが始まっています。


 大阪労働局は、一部のハローワークにおいて、平日の午後7時までの時間外および土曜、日曜、祝日にも開庁すると発表しました。これにより現在は大阪府管内で10施設がサービスの拡充を行っています。ただし、サービスは求人情報の提供および職業紹介、職業相談に限定されており、雇用保険関係の業務は行われていません。また東京でも7月1日より、上野、大森、王子、足立、木場、町田、府中の各ハローワークおよび八王子しごと情報館で、平日は午後7時、土曜日は午前10時から午後5時まで、職業紹介、職業相談の窓口が利用ができるようになります。これにより、既に実施している窓口を含め都内20ヶ所において営業時間が拡大されます。


 こうした時間外サービスに踏み切った理由としては、在職中により良い労働条件の会社を探そうという在職求職者が増加傾向にあり
社会的ニーズが高まったことによると考えられます。これまで在職求職者は、インターネット上の転職サイトの利用を利用し転職活動を行うことが主流でしたが、ハローワークの求人検索が情報端末上でできるようになったことや、全国の求人情報が検索できるようになったことが、在職求職者のハローワーク利用を利用する頻度を高めた要因であると思われます。なお、こうしたサービスは一部のハローワークで先行して実施されている状況ですが、今後は全国のハローワークに拡大されると予想されます。


 一つの企業に長く勤めることが美徳とされた時代から、自分の得意をいかせるなら働く企業を選ばないという考え方が主流になり、また企業側も世間のニーズにあわせて適材適所の人材配置を行うようになってきている昨今、雇用の流動化はますます拡大する流れにあります。こうしたなかで、求職者のニーズに応えるためにハローワークのサービス拡充は今後も図られていくでしょう。
 
(神谷篤史)