徐々に導入が進められる規約型企業年金

 昨日、厚生年金基金連合会から7月1日現在の「企業年金基金の現況」が公表されました。


 これによれば、平成15年度が92、平成16年度が81と高水準が続いていた厚生年金基金の解散のペースが落ち、平成17年4月から7月の解散は9件に留まっています。


 一方で、確定給付企業年金の件数が順調に伸びています。7月1日現在では基金型が567件、規約型が648件となっています。特に規約型の伸びは順調で、前回ご紹介した4月1日現在の件数である601件から3ヶ月でプラス47件の増加という結果に。適年から規約型に移行する際には予定利率の引き下げなどが行われるため、保険料が5倍というケースも珍しくありません。よって中小企業などではほとんどその導入が進んでいませんが、本日偶然面談したある国内大手生命保険会社の法人担当の方によれば、保守的な傾向が強い地方の中堅企業では徐々にその導入が進められているということでした。


 これは毎回お話していることですが、現在の運用環境では適年問題の解決を先送りにすれば、それだけ積立不足が増加するという状態になっています。少しでも早い現状把握と対策が望まれます。


(大津章敬)