日系企業における昇給管理の課題(2)
2014年2月21日ブログ『日系企業における昇給管理の課題(1)』の続きです。
年齢や勤続年数、いわゆる年功序列型賃金が日本の賃金制度の大きな特徴なのですが、これでは賃金ばかり上がってしまい、果たして本当に仕事の成果は上がっているのかということが問題になってきます。ましてや中国の賃金事情のように、毎年最低賃金が上がる、政府から発表される昇給ガイドラインも10%の水準を超えるという状況で、なおさら年齢や勤続年数などによって賃金自体が上がってしまう要素があるとするならば、企業はいったいどれくらい利益を出せばいいのでしょうか?そのようなことを考えていきますと、「中国において、日本型賃金制度は使い物にならない」という結論が理解できると思います。日本では1990年代に成果主義が流行り、多くの企業が人事制度の見直しを行いました。「うちは職能資格でも年功序列でもない」という企業の人事制度を見ていても、やはり年功的要素はどこか含まれています。従って結局は、中国の人事管理に合った賃金制度に直していかなければならないのです。
<賃金理論と賃金管理>
賃金制度を作る。一見誰にでもできそうに聞こえますが、実は賃金制度には細かく、複雑な理論が隠されているのです。我々の世界では「賃金理論」と呼ばれるものです。賃金全体がどのようなカーブを描くのか、昇給とベースアップをどのように組み合わせ、賃金の決定を行うのか、「モデル賃金」として従業員が定年まで在籍していたとすれば、将来どの程度の賃金水準になるのか、ここ数年の消費者物価指数の予測は、などなど、様々なデータを組み合わせながら賃金全体の設計を行っていきます。従って、我々賃金コンサルタントのキャリアにおいて、きちんと理論を学んでいるのか、あるいはどれくらいの経験があるのかは非常に重要なキャリアであり、選ばれるモノサシでもあるのです。~次回に続く~(清原学)
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○日系企業における昇給管理の課題(1)
https://roumu.com/archives/37143827.html
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