急増する個別労働紛争解決制度の利用

 東京労働局は、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づく「個別労働紛争解決制度の平成17年度上半期の利用状況」を発表しました。以下がその実数ですが、ものすごい勢いで利用が進んでいることがわかります。



□総合労働相談件数 59,267件(1.0%増)
□民事上の個別労働紛争相談件数 8,350件(9.2%増)
□助言・指導申出受付件数 278件(98.6%増)
□あっせん申請受理件数 626件(58.5%増)



 平成17年4月から9月までの半年間において、都内21ヶ所の総合労働相談コーナーには、6万件近い総合労働相談が寄せられ、これらの相談の中で、労働関係法上の違反を伴わない民事上の個別労働紛争に関する相談は、8千件を超えるなど増加傾向が続き、制度発足(平成13年10月)以来、最高を記録し、制度の利用が進んでいます。


 民事上の個別労働紛争に関する相談の主な内容は、解雇に関するものが28.1%ともっとも多く、次いで労働条件の引下げに関するものが14.3%、いじめ・嫌がらせに関するものが11.1%、退職勧奨に関するものが7.9%と続いおり、解雇、退職勧奨等を含む退職に関するものは、全体の4割以上を占めています。また、相談内容について、前年度同期と比較すると、労働条件に関するものでは自己都合退職、出向・配置転換及び解雇に関するものが、次いで、その他の中ではいじめ・嫌がらせに関するものが、次いで、セクハラ・女性労働問題に関するものが増加しています。


 こうしたトラブルはやはり事業主の遵法意識の欠如に起因するところが多く、また就業規則をはじめとする社内規程の整備如何によって問題が発生しなかったであろうというケースも見受けられます。労務紛争の未然予防として社内規程整備は企業にとって喫緊の課題ではないでしょうか。


(神谷篤史)