あなたの気持ちは部下に伝わっていますか
今日はコミュニケーションのズレについてお話したいと思います。
例えば、藤岡部長の下に橋本という部下がいます。藤岡部長は橋本の業務課題として営業力の向上を挙げていました。そのため、橋本に対しては手取り足取り営業方法を教示し、毎日のようにロープレを繰り返しました。しかし、橋本はある日体調を壊し、会社を休業してしまい、そのまま退社をすることになりました。藤岡部長は風の噂によれば、橋本は藤岡部長の指導を「ノルマに対するプレッシャー」と感じたようで、耐え切れず体調を壊したと耳にしました。藤岡部長としては橋本のためを思い、わざわざ貴重な時間を割いてロープレを行っていたにも関わらず、橋本には単なるプレッシャーにしかならなかった。なぜ、このようになってしまったのか….。藤岡部長は頭を抱えてしまいました。
上司の意図が部下に伝わらないケースは日常的によく耳にしますが、これを放っておきますと、業務遂行や顧客対応の誤りに繋がり、部下の成長やモチベーションにも多大な影響を及ぼします。組織というのは「上司の意図が部下に伝わっている」ことが前提に成り立っているものです。上記の例では藤岡部長は営業力を伸ばしてもらいたいという意図があったにも関わらず、橋本にはノルマの徹底と伝わってしまった。このズレを失くすにはどうすれば良いのでしょうか。
先日お話したとおり、人にはそれぞれタイプがあります。人によっては好意をマイナスにとってしまう性格の方もおられますし、理解に乏しい方もおみえになります。このような方についてはあなたの意図について一から部下に伝えてみるのも一つの手段です。ただ、コミュニケーションにおいて、もっとも重要なことは手段そのものの工夫ではなく、意図をきちんと部下に伝えようとする気持ちがあるかどうかということです。1)気持ちをしっかり込めて部下に意思を伝えているか、2)意図が伝わっているかどうか、随時確認しているか、3)意図の伝え方に誤りはないか。この3ポイントを意識して、今後部下と接してみましょう。必ず、部下の行動等に何かしらの変化が起こるはずです。
(志治英樹)