健康保険被保険者証を紛失した場合の対応

 最近、新聞やテレビなどで、ひったくり事件の報道が毎日のようになされています。警視庁の調べによれば、東京都内でのひったくり事件は、平成17年上半期だけで1,680件発生しているということですが、このような事件の増加によって、健康保険被保険者証(以下「保険証」という)を紛失してしまったという相談を頻繁に受けるようになりました。そこで本日は保険証を紛失した場合の事後処理方法についてお話します。


 保険証は約2年前からカード化がされており、保険証を財布に入れて常時携帯している方が多くなっていますが、保険証は身分証明書としても利用されているため、ひったくりなどにより紛失してしまった際には、その貸金業者等での悪用が心配されます。そこでこうした場合には以下の対応を行うと良いでしょう。
1)警察への届出
2)社会保険事務所・健康保険組合への保険証再交付手続き
 実際に再交付がなされるまでは会社が再交付中の証明書の発行をすると良いでしょう。
3)消費者金融系情報センターへの申告コメントの登録
 全国信用情報センター連合会を初めとした情報センターでは、消費者のローンなど取引に関する情報を登録し、加盟する貸金業者などが貸し出しの判断をする際にその信用情報を提供しています。保険証を紛失し、その悪用が心配されるような場合にはこうした機関にコメントを申告し登録する制度を利用することによって、その被害を軽減することができます。


(宮武貴美)