高年齢者雇用安定法改正のポイント 制度選択前に改めて考えなければならないこと
現在定年制の定めのある企業では、今年の3月31日までに、1)定年の延長、2)継続雇用制度の導入、3)定年制の廃止のいずれかの制度を選択し4月以降導入することが求められています。
この制度の概要や導入にあたっての注意点等については、以前説明をさせていただきましたが、実際の導入においては、その予定している選択が本当に将来の自社のためになるのかという点について、改めて検討する必要があります。なぜならば、2007年問題に代表されるように労働力人口はますます減少の一途を辿っており、将来に亘っての人材確保も今後、より困難になっていくことが予想されています。事業を円滑に遂行するための労働力確保を実現するためには、高齢者のみならず女性労働者、障害者、外国人労働者といった労働市場におけるマイノリティを如何に活用するかが重要となり、こういった多様な労働力の活用(ダイバーシティ・マネジメント)なくしては、企業の発展のみならず、その存続すら危うくなることも十分考えられるでしょう。
今回の高年齢雇用安定法の改正は、こういったダイバーシティマネジメントの必要性を暗に提起させるものであり、中長期的に安定した労働力を如何に確保するのかという視野に立ちながら、制度の選択をして頂きたいと考えています。
(服部英治)