年の途中で所定労働日数が変更になったパートタイマーの年次有給休暇

 多くの中小企業において、パートタイマーの年次有給休暇(以下「年休」という)への付与状況は、なかなか改善が進んでいない状況ですが、パートタイマーの年休付与においては、実務上、様々な問題が発生するという事例を多く目にしています。そこで本日はそうした問題の中から、年の途中でその所定日数が変更になった場合の取り扱いについて考えてみましょう。


■質問
 昨年の9月に雇入れ、現在1日5時間、1週間4日勤務のパートタイマーがいます。今年の2月1日から1日5時間、週2日勤務の労働契約に変更することになりました。今年の3月1日には、勤続が6ヶ月になり、年休が発生することになりますが、このパートタイマーには何日の年休を付与すればいいのでしょうか?


■回答
 結論としては、付与日数は週2日に対応する3日の年休が付与されることになります。まず、パートタイマーの年休付与日数については、比例付与という制度があり、その労働日数と労働時間により、実際の付与日数が決められています。
1)正社員と同じ日数が適用されるパートタイマー
 a.所定労働日数が5日以上のパートタイマー
 b.週の所定労働時間が30時間以上のパートタイマー
2)比例付与が適用されるパートタイマー
 c.週の所定労働日数が4日以上のパートタイマー(b.に該当する者を除く)
 d.年間の所定労働日数が216日以下のパートタイマー


 この内、2)については、労働基準法施行規則第24条の3で定められている通常の労働者の一週間の所定労働日数(5.2日)を基準として算出されます。例えば、週3日勤務のパートタイマーについては、以下の計算式により5日と算出されます。


10日(正社員の付与日数)×3日(週の所定労働日数)÷5.2日≒5日(小数点以下切捨)
※比例付与の早見表についてはこちらをご参照下さい。


 それでは、質問のケースですが、年の途中で所定労働日数が変更となった場合は、年休を付与する基準日現在の所定労働日数で判断することになります。したがって、質問のケースでは、年休付与日である3月1日時点で週2日の契約であれば、以下の計算により3日の年休がが付与されることになります。


10日(正社員の付与日数)×2日(週の所定労働日数)÷5.2日≒3日(小数点以下切捨)


 なお、今回の質問のケースにはありませんでしたが、一旦付与された日数について付与後に増減することはありませんので、3月1日より後に週4日勤務に変更になった場合でも、翌年のの基準日以前に付与日数が増加することはありません。


■まとめ
 最近は、企業におけるパートタイマーの活用が大きなテーマになっていますが、近年、パートタイマーの権利意識は大きな高まりを見せていますので、無用なトラブルを防ぐためにも、適正な制度運用が望まれます。今回、挙げた事例については細かな点ですが、今後はこのような点を押さえることも必要になってくるでしょう。



□参照条文:労働基準法施行規則 第24条の3 第2項
2 法第三十九条第三項 の通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数は、五・二日とする。


(宮武貴美)