「褒めること」と「褒められること」

 今日はまず1つのエピソードをご紹介しましょう。



 ある管理者研修で講師が「上司と部下との業務の違いを一言で述べて下さい」と受講生に質問をしました。


 ある受講生は「上司は部下を管理する。部下は業務を遂行する」と答えました。違う受講生は「上司は部下を評価する。部下は上司に評価される」と答えました。その他、多くの受講生がそれぞれの考えを講師に伝えました。


 一通りの考えを聞いた講師は話し始めました。「みなさんがお考えの上司と部下との違いはすべて正解です。私が同じ質問を受けた場合には『上司は褒めるのが仕事。部下は褒められるのが仕事』と回答します。みなさんは日頃、部下の方々を褒めてらっしゃいますか?」


 受講生である管理者の方々は一斉に「はっ」と驚き、「そういえば、あまり部下を褒めていないなぁ」とある受講生は、ぼそっとつぶやきました。



 『上司は褒めるのが仕事。部下は褒められるのが仕事』。もちろん叱る、叱られるのも業務の一つですので、一概にそれだけとは言えませんが、このフレーズどおりの関係が多くの上司や部下にとって理想の姿であると思います。


 あなたは日頃、部下の方や家族の方を褒めていますか?また、上司の方やお客様に褒められていますか?自信がない方は、たまにふとこのフレーズを思い出してください。その言葉はきっと、よりよい人間関係を築けるきっかけになるでしょう。


(志治英樹)


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