平成18年度における労災保険率等の変更予定

 労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気に見舞われたり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものとして労働者災害補償保険(以下、「労災保険」という)があります。この労災保険に関する保険料は全額事業主負担となっており、毎年、4月1日から5月20日までに申告と納付を行うこと定められていますが、平成18年4月1日よりこの保険率等が変更になる予定です。


 そもそも、労災保険率は労働保険の保険料の徴収等に関する法律においてに、主に過去3年間の業務災害の災害率等を考慮して厚生労働大臣が定めることになっています。平成18年度は前回の改正から3年経過する年度であり、保険率の改正も含め、以下の3点の改正が予定されています。
 1.労災保険率の改正(予定)
 2.第2種特別加入保険料率の改正(予定)
 3.労務比率の改正(予定)


 今回はこの中から、1.の労災保険率の改正についてお話したいと思います。新しい労災保険率については、業種ごとに多少の変更が行われる予定になっていますが、これに加え「その他の各種事業」として取り扱われていた「通信業、放送業、新聞業又は出版業」、「卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業」、「金融業、保険業又は不動産業」が新たに細分化される予定となっています。これは近年の産業構造の変化を労災保険率にも反映した形となりますが、今後、正式な改正の内容及び手続方法等を確認し、適正に処理を進める必要があるでしょう。


 詳細が確定しましたら、当ブログでも再度ご案内したと考えております。





□参考条文
労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条(一般保険料に係る保険料率)
 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。
1.労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあつては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率
2.労災保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、労災保険率
3.雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業にあつては、雇用保険率
2 労災保険率は、労災保険法の規定による保険給付及び労働福祉事業に要する費用の予想額に照らし、将来にわたつて、労災保険の事業に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならないものとし、政令で定めるところにより、労災保険法の適用を受けるすべての事業の過去3年間の業務災害(労災保険法第7条第1項第1号の業務災害をいう。以下同じ。)及び通勤災害(同項第2号の通勤災害をいう。以下同じ。)に係る災害率並びに2次健康診断等給付(同項第3号の2次健康診断等給付をいう。次項及び第13条において同じ。)に要した費用の額、労働福祉事業として行う事業の種類及び内容その他の事情を考慮して厚生労働大臣が定める。


□参考リンク
労災保険率等の改正予定のお知らせ~東京労働局
http://www.roudoukyoku.go.jp/topics/2006/20060216-hoken/index.html


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。