年金に関する通知のサービスの増加

 国民年金保険料の納付率低下は、大きな社会問題ととなっています。納付率の低さの原因は将来受給できる年金に関して不安を抱いているためと言われていますが、社会保険庁はこの状況を改善するため、様々なサービスの向上への対策を行っています。そんな中、先日、社会保険庁から、現在以下の2つのサービスの開始について検討を行っていると発表がありました。今回はその内容の確認と期待される効果について考えてみます。


1.35歳通知
□検討内容
 被保険者期間の中間点でそれまでの年金加入状況をお知らせするサービス
□期待される効果
 国民年金の第1号被保険者には、日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の者が強制加入となります。そして、最低25年間保険料を納付することにより老齢基礎年金が受給権が得られることになります。したがって、35歳時点でこの通知を行い、それ以降の保険料納付促進をすることにより、60歳時点において受給権が得られない被保険者を極力減らすことが期待されます。


2.ポイント化によるお知らせ
□検討内容
 保険料の納付実績や年金見込み額を点数化(ポイント)する等して、分かりやすくお知らせするサービス
□期待される効果
 現在、社会保険事務所等で発行される通知は制度を理解していても見づらいものとなっています。このため、通知を見ただけでは、納付実績が正しく登録されており、また、年金見込額の計算に誤りがないかについての理解は難しくなっています。このポイント化によりこの部分の理解が進むことが期待されます。


※年金制度はその制度が複雑であるため様々な特例が発生します。この文章では分かりやすさのために特例等を省いた原則での記述を行っておりますのでご了承下さい。


□関連リンク
従業員の皆様と被扶養配偶者の方の住所変更の届出についてのお願い(PDF)~社会保険庁
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n0220.pdf


(宮武貴美)


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