単純平均と加重平均の違い

 そろそろ春闘も本格化し、今春の賃上げに関する統計が発表される時期になってきました。そこで本日は、そうした集計に必ず登場する「単純平均」と「加重平均」の違いについて、説明することにしましょう。
□単純平均
 例えば、賃上げ額5,000円のA社と3,000円のB社があった場合、以下の計算式により単純に平均額を求めたのを「単純平均」と言います。
 (5,000円+3,000円)÷2社=4,000円


□加重平均
 これに対し加重平均は、データのサンプル数(従業員数)によるウェイトを加味した平均となります。例えばA社の従業員数が100人、B社が10人とした場合、以下の計算式で加重平均を求めます。
 (5,000円×100人+3,000円×10人)÷110人=4818.18円


 このように従業員数に偏りがあればあるだけ、単純平均と加重平均の間に乖離が大きくなります。各種賃金統計では、従業員1人あたりの平均を求めることが基本となるため、加重平均が行われていることが通常です。今後、賃上げ等のデータを見る際の参考にしてください。


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(大津章敬)


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