時間外手当について

 今週末は時間外手当について、ご説明いたします。


1.時間外労働の定義
・法定労働時間を超える労働を時間外労働といいます。
法定時間外手当の対象となる時間は次のとおりです。
1)原則として1日8時間を超える労働、1週40時間を超える労働
2)1ヵ月単位の変形労働時間制を採用している場合は、次のとおりとなります。
①所定労働時間が1日8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日については8時間を超えて労働した時間。
②上記①で時間外とされた時間を除き、所定労働時間が1週40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週については1週40時間を超えた時間。
③上記①及び②で時間外とされた時間を除き、変形期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間。
上記の①+②+③=法定時間外の労働となります。
※法定労働時間の総枠は「40時間×変形期間の暦日数÷7」で計算された時間です。
※1年単位の変形労働時間制を採用している場合は、1ヵ月単位の変形労働時間制と同様に判断します。
※フレックスタイム制を採用している場合は、清算期間の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間です。


2.法内残業
・所定労働時間を超える労働のうち、8時間になるまでの労働を法内残業といいます。例えば、所定
労働時間が7時間30分の場合、7時間30分を超え、8時間までの労働が法内残業となります。


3.賃金の割増率
1)時間外労働
・25%以上の割増を付けて支給しなければなりません。法内残業には割増を付けなくても結構ですが、労働分の賃金は支払う必要があります。
2)深夜労働(夜10時から朝5時まで)
・深夜の時間帯に及んだときは50%以上の割増になります。
3)休日労働
・法定休日の労働には35%以上の割増を付けて支給しなければなりません。法定外休日の労働は法定労働時間内ならば、割増を付ける必要はありませんが、法定労働時間を超えた時間については、25%以上の割増を付けなければなりません。


※法内残業、法定労働時間内の法定外休日労働には労働基準法上は割増を付ける必要はありませんが、就業規則等で割増を付けて支給するなどの決めがあれば、その決めに従って支給することとなります。


4.割増賃金対象時間の計算の例
  所定労働時間:1日 7時間30分
  休日:土曜と日曜
    次のような勤務実績の場合
    月曜日  9時間勤務
    火曜日    8時間勤務
    水曜日  8時間勤務
    木曜日  9時間勤務
    金曜日    8時間勤務
    土曜日  8時間勤務
         日曜日    勤務無し


●1日で見た場合の時間外労働
  …2時間(月曜1時間、木曜1時間)
●1週間で見た場合の時間外労働
  …8時間(50時間-40時間=10時間のうち2時間は1日で見た場合なので8時間となります)


この例の時間外労働は合計10時間となり、割増賃金(25%増)の対象時間になります。月曜から金曜までの割増賃金とならない、7時間30分を超えて8時間までの各日の30分については法内残業のため割増は付けなくとも時間外として賃金を支払う必要があります。


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