兼業と労働時間管理、割増賃金の支払義務
本日は、兼業を認めた場合の労働時間のカウント方法、割増賃金の支払義務について、ご紹介します。
労働基準法第38条は「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定しています。つまり、事業主を異にする事業場において労働する場合も時間を通算し、法定労働時間を超過するのであれば割増賃金の支払義務が生じることになります。
具体的には以下のようになります。
前提)A会社・B会社ともその労働者が兼業している事を知っており、
またB会社がA会社の後で労働契約を結んでいる。
A会社(4時間)の後、B会社(5時間)で勤務する場合
→B会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生
A会社(5時間)の後、B会社(4時間)で勤務する場合
→B会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生
A会社(4時間)の後、B会社(4時間)で勤務する契約であるが、
たまたまA会社で5時間勤務してしまった場合
→A会社で1時間分の割増賃金支払義務が発生
A会社で常勤勤務(8時間)の後、B会社でアルバイトをする場合
→B会社での労働時間すべてが割増賃金支払義務発生
※例えば愛知県の最低賃金は688円/時ですので、B会社では最低でも
その25%割増の860円以上の時給で雇用契約を結ぶ必要があるということになります。
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