増加傾向が続く新卒採用

 4月になり、2007年4月入社組新卒採用の選考活動が佳境を迎えつつあります。そんな中、先日、東京商工会議所が「新卒者等採用動向に関する調査結果」という調査結果を発表しました。これは企業の新卒者等の採用動向を探るため、同会議所の会員中堅・中小企業5,000社(資本金1,000万円から1億円で無作為抽出)を対象に調査を実施したもの。今回はこのポイントを紹介し、2006年~2007年の新卒採用動向について見ていくことにしましょう。


2006年4月の新卒者の採用は66.7%の企業が予定あり
 2006年4月の新卒者の採用は66.7%(前年比11.5ポイント増)の企業が予定ありと回答。一方、予定なしの企業は10.9ポイント減となるなど、中堅・中小企業における新卒採用マインドの高まりが感じられる。


予定人数確保は55.2%
 採用予定ありと回答した企業のうち、新卒者を「予定通り確保できた」企業は55.2%に止まり、10.2%の企業では「一人も確保できなかった」と回答している。ここからは新卒採用の売り手市場化の傾向が見られる。


2007年4月の新卒者の採用は59.5%の企業が予定あり
 現在採用活動が行われている2007年4月の新卒者の採用は、59.5%(前年比16.1ポイント増)の企業が予定ありと回答。一方「採用予定なし」は、前年比4.3ポイント減の14.7%になるなど、昨年以上の採用意欲の回復傾向が見られる。


採用活動の開始時期は1月~3月が最多
 2007年4月の新卒者の採用活動開始時期については、2006年1月~3月が44.3%(前年比6.3ポイント増)と最多。これに対し、2006年4月~6月は前年比3.2ポイント減の33.5%に止まっており、採用活動の早期化が進んでいることが分かる。


 2007年問題や少子化の問題、そして企業業績の回復により、新卒採用に対するマインドが急速に回復しています。今後、新卒学生の採用環境は厳しさが増すことは確実な状態であり、採用力が十分でない中小企業では様々な労働力を活用できる環境の整備を進めることが重要な経営課題となってきています。



参考リンク
東京商工会議所「新卒者等採用動向に関する調査結果」
http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2005/180328.html


(大津章敬)


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