スタート直後の反応が重要

 最近聞いた話の中で、当たり前のことながら、改めて「そうだ」と思わされる話がありました。モバイル・インターネットキャピタル株式会社のCEO兼CIOである西岡郁夫氏の話です。新規事業などに挑戦するときの姿勢について、氏はおおむね以下のように指摘しています。



「スタートするまでは、市場調査などを行い、全精力を挙げてスタートダッシュに備える。しかし問題はそこで全ての精力を使い果たしてしまうこと。スタートしてから、手を抜くわけではないが関心が薄れてしまい、そして数ヶ月経った後、結果が悪い点について、いろいろと反省点を拾い出したりすることが多い。」



 氏は「そこで最も問題となるのが、スタート直後の顧客の反応、すなわち、立ち上げ直後の成果や影響度について、更に全神経を使ってチェックすることが重要だ」と指摘します。確かに、もしその時点で仮説と食い違う点があったら軌道修正をすることができます。微調整も多く発生するかもしれませんが、細かく細かく調整を施すことで、事業への成功確率も上昇します。


 しかし現実には、スタート時点までの段階で情熱を使い果たし、スタートしてみると既に精力・情熱の傾注度が格段に落ちてしまっていることが多いのではないでしょうか。実際にさまざまな企業の現場を見ていても、経営計画はしっかりしているのに、いざ行動となると計画段階の情熱が伴わず、結果、計画倒れに終わっているケースは、数知れず目にしてきました。


 スタート直後の反応が重要という氏の指摘は、私の経験からも全くうなずける指摘です。


(佐藤澄男)


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