外国人雇用状況報告の提出期限は6月30日

 2007年問題および少子化による労働力不足が現実のものになりつつある現状において、今後どのように労働力を確保するかは、企業での人材採用というレベルに留まらず、国家としても非常に重要な課題になっていますが、そんな中、厚生労働省は先日、「外国人労働者の受入れを巡る考え方のとりまとめについて」というレポートをまとめ、発表しました。それによれば専門的・技術的分野に関しては、高度人材(「専門的・技術的分野」のうち特に優秀な者)の受け入れ促進のための制度見直しの検討を行い、また留学生の国内就職の促進を進める一方で、専門的・技術的分野以外の分野に関しては、単純労働者の受入れを認めないという基本方針は堅持した上で、高度技能者等に関しては、更なる検討を行うという方向性を打ち出しています。経済のグローバル化が進む中で、世界的に優秀な人材の囲い込み競争が熾烈化していますが、国としての競争力を維持・向上させるためには、こうした優秀な外国人の受入れ体制を整備する必要性が非常に高まっています。一方で単純労働者の受入れについては今回も従来の方針を踏襲していますが、、研修・技能実習制度を活用した実質的な雇用が拡大する中で、そろそろ実態を踏まえた本質的な議論をする時期が近付いているように思えてなりません。


 ということで本日は外国人雇用というテーマを取り上げていますが、ここで外国人雇用状況報告の提出についてご案内しておきましょう。毎年6月1日現在で外国人労働者を雇用している事業主は、管轄のハローワークに対し、「外国人雇用状況報告」を提出することが必要です。これには外国人労働者を直接雇用している場合だけではなく、派遣や請負にて事業所内で就労させている事業所も含まれますのでご注意ください。提出期限は今週の金曜日、6月30日ですので、お忘れなく。



参考リンク
厚生労働省「外国人労働者の受入れを巡る考え方のとりまとめについて」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/06/h0622-2.html
東京労働局「外国人雇用状況報告にご協力ください」
http://www.roudoukyoku.go.jp/event/2006/20060601-foreigner/index.html
厚生労働省「外国人雇用状況報告(平成16年6月1日現在)の結果について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/12/h1228-1.html
参照条文
職業安定法施行規則第34条(法第五十三条の二 に関する事項)
 厚生労働大臣は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整等を図るため、事業主に対してその雇用する外国人労働者の雇用に関する状況に係る資料の提供を求めること等により、外国人労働者の雇用の動向の把握に努めるものとする。


(大津章敬)


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