中小企業のメンタルヘルスにかかる助成金の創設
厚生労働省がメンタルヘルスを大きな課題とし、様々な対策を取っていることはこれまでもこのブログでも取り上げてきました。今日はその中から、中小企業のメンタルヘルスケアのために創設された中小企業職業相談委託助成金を紹介しましょう。
この助成金は平成18年4月に、中小企業で働く労働者の職場定着を図る目的で創設された制度です。都道府県知事の認定を受けた改善計画に従い、職業(メンタルヘルスを含む)相談を、外部の専門機関等に委託を実施した場合、当該事業に要した費用の一部が助成されるというものです。以下、この助成金の詳細について、見てみることにしましょう。
支給対象者
雇用保険の適用事業主であって、職業(メンタルヘルスを含む)相談を、外部の専門機関等に3ヶ月以上委託し、当該認定中小企業者等における常用労働者数が減少していないこと。
支給額
委託契約に要した費用の3分の1、または雇用する被保険者数の区分に応じて、以下の上限額のいずれか低い額
10人未満 10万円
10人以上50人未満 25万円
50人以上100人未満 40万円
100人以上 100万円
中小企業でもメンタルヘルスに関する問題は大きくなってきていますが、現実にはその具体的な対策はあまり進んでいません。その原因の一つとして、その効果が目に見えにくいため、費用の支出がし難いということが挙げられるでしょう。今回、この助成金が創設されたことで、費用面の制約が小さくなり、中小企業のメンタルヘルス対策が進むことが期待されています。
参考リンク
独立行政法人雇用・能力開発機構「助成金:中小企業職業相談委託助成金について」
http://www.ehdo.go.jp/qa/
(宮武貴美)
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