急速に回復する高卒求人倍率と深刻な地域間格差
先日、厚生労働省より発表された「平成18年度高校・中学新卒者の求人・求職状況(平成18年7月末現在)」は非常に興味深い内容になっていました。そのポイントは以下のようになっています。
高卒の求人数は238,000で、前年比べ26.6%増加
求職者数は209,000人で、前年同期に比べ0.4%増加
求人倍率は前年同期を0.24ポイント上回る1.14倍と、9年ぶり1倍台を回復
このように全体でデータを見ると、2007年問題への対応や企業業績の回復によって、高卒に対しても企業の採用意欲が旺盛になっているということが指摘できます。しかし、その結果を詳細に見てみると、そこには深刻な地域間格差が存在することが分かります。全体では1.14倍であった求人倍率ですが、都道府県別に見たトップ5は以下のようになっています。
東京 4.41/愛知 2.54/大阪 2.25/広島 1.89/静岡 1.50
大都市圏で異常なまでの高い倍率になっている一方で、以下の地域では求人倍率が0.5倍を割ってしまっています。
青森 0.17/沖縄 0.21/高知 0.24/鹿児島 0.26/北海道 0.29/長崎 0.31/熊本 0.34/秋田 0.36/宮崎 0.36/岩手 0.42/佐賀 0.42
このように高卒の求人環境についてはまだまだ深刻な地域間格差が存在することが良く分かります。もっとも地域別に見た求人倍率の前年比較では、すべての地域でプラスとなっていますので、今後、求人倍率が低い地域でも徐々に状況は改善してくるのでしょう。一方で、求人倍率が非常に高い地域の企業にとっては、深刻な労働力不足が懸念されます。
参考リンク
厚生労働省「平成18年度高校・中学新卒者の求人・求職状況(平成18年7月末現在)について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/09/h0913-1.html
(大津章敬)
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