中国子会社の社会保険調査

 上海にある中国子会社が2006年8月に、所在地の区の労働局から2005年度従業員社会保険加入状況について、調査を受けた。


 調査は上海市のローカル会計事務所が当該区の労働局から委託され、行なわれた。今回の調査は通常の検査であり、上海市では昨年は6000社が調査の対象になったが、今年は約20,000社が調査の対象になっているが、この調査のポイントは以下の2つである。



会社従業員の実態、すべての従業員が社会保険に加入しているかどうか?
社会保険は従業員の前年度の賃金総額(賞与含む)をもって月額平均を算出し、各保険料率率を掛けて計算されるものなので、その月額平均賃金は正確であるか?特に諸手当、残業代、現物支給の金額を賃金の中に加えているかどうかを重点的に調査される。



 中国子会社の今回の調査については、2005年度毎月の給与明細表、2005年度帳簿、2005年度会計証憑を細かく調べられ、問題がないとの評価を受けた。調査員の話によると、今までの調査では、9割以上は問題があるそうで、社会保険不加入者が入れば、その妥当性の理由を用意しておかないと追徴を受けることになる。


 現在の社会保険の会社負担は「四金」ではなく「六金」に移行しており、それぞれの会社負担は以下のとおりである。
養老保険料 22%
医療保険料 12%
失業保険料  2%
労災保険料 0.5%
生育保険料 0.5%
住宅積立金  7%


 このように合計44%が月額平均賃金に乗じられ会社負担となっているのだ。上海の賃金も高騰しており、手取り契約をすれば、実際の負担すべき賃金は2倍程度を覚悟しておかねばならない。
 
(株式会社名南経営 代表取締役 影山勝行)


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