一般社員の31%がいまの仕事へのやりがいを感じず

一般社員の31%がいまの仕事へのやりがいを感じず 野村総合研究所は、東証一部上場企業の社長、そして東証一部上場企業に在籍している正社員と一般企業に在籍している契約・パート・アルバイト・派遣社員を対象に実施したアンケート結果を発表しました。基本的には経営理念やビジョンに関する意識調査で、そちらは予想通り、社長の回答と一般従業員の回答に大きなギャップがあるという当然の結果になったのですが、私が興味を持ったのはそれではなく、従業員対象の「今の仕事にやりがいを感じているか」という質問項目の回答結果でした。


 役員の100%、管理職の56%がいまの仕事にやりがいを「感じている」と回答していますが、これが一般の正社員になると38%、契約社員で43%、パートアルバイトでは29%、派遣社員では27%と急速にその割合が低下しています。一方でやりがいを「感じない」という回答は、派遣社員では40%、パートアルバイトでは37%となっており、この両雇用区分ではやりがいを「感じている」者よりも「感じない」者の方が割合が大きくなっています。また一般正社員と契約社員の31%、管理職の25%もやりがいを「感じない」と回答しています。派遣社員やパートアルバイトがやりがいを「感じない」と感じるのは、その職務配置上、現状ではある程度やむを得ないと考えるとしても、一般の正社員を見てもやりがいを「感じる」38%・「感じない」31%と、その割合には大きな差がありません。


 このように多くの従業員が仕事にやりがいを感じないままに、現在の職務に従事している姿が、この結果からは浮かび上がってきます。もしかすると本音ベースではある程度予想できていた結果なのかも知れませんが、このように実際のデータで見せられると、経営側としてはショッキングな結果ではないでしょうか。企業としては、意識的に社員の仕事をやりがいを感じるような環境の構築が必要であるように思えてなりません。


 そもそも、社員が仕事に対するやりがいを感じるポイントは様々です。正社員の場合は、担当する仕事の内容や会社からの評価であることが多いでしょうし、パートアルバイトや派遣社員の場合は、労働時間の柔軟性など、プライベートとの両立を無理なく図れる環境といったことも少なくないでしょう。これからの時代は多様な価値観を持った人材ひとりひとりにあった仕事の与え方をし、やりがいをもって職務に専念してもらえる環境を作ることが重要になってきます。



参考リンク
野村総合研究所「上場企業の社長・従業員を対象に経営理念・ビジョンに関する意識調査を実施」
http://www.nri.co.jp/news/2006/060920_1.html


(大津章敬)


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