民間企業の平均給与は8年連続の減少

民間企業の平均給与は8年連続の減少 先日、国税庁より「平成17年 民間給与の実態調査結果」が発表されました。この統計調査は、昭和24年以降、毎年行われているもので、従事員1人の事業所から従事員5,000人以上の事業所まで広く民間企業の給与実態を調査しています。


 今回の平成17年分調査結果の主要ポイントは以下のようになっています。
平成17年12月31日現在の給与所得者数は、5,304万人(対前年比0.6%増、34万人の増加)。
平成17年中に民間企業が支払った給与総額は201兆5,802億円(同0.1%減、1,940億円の減少)。源泉徴収された所得税額は9兆364億円(同1.6%増、1,385億円の増加)。
1年を通じて勤務した給与所得者については、以下のとおりとなっている。
1)給与所得者数は、4,494万人(対前年比0.9%増、41万人の増加)で、その平均給与は4,368,000円(同0.5%減、20,000円の減少)。
2)男女別にみると、給与所得者数は男性2,774万人(同0.8%増、22万人の増加)、女性1,720万人(同1.1%増、19万人の増加)で、その平均給与は男性538万円(同0.5%減、3万円の減少)、女性273万円(同0.3%減、1万円の減少)。
3)給与所得者の給与階級別分布をみると、男性では年間給与額300万円超400万円以下の者が494万人(構成比17.8%)、女性では100万円超200万円以下の者が449万人(構成比26.1%)と最多。
4)企業規模別にみると、資本金2,000万円未満の株式会社においては403万円(男性478万円、女性261万円)となっているのに対し、資本金10億円以上の株式会社においては608万円(男性719万円、女性309万円)と大きな格差が見られる。なお、個人企業においては262万円(男性335万円、女性223万円)。


 このように民間企業の平均給与は平成9年分の4,673,000円を頂点に8年連続減少し、平成17年分では4,368,000円となっています。これは平均給与の水準が低い女性の給与所得者数が、男性以上の増加を見せていることの影響が大きいと思いますが、男女別で見ても、いずれの平均給与も減少しており、構造的な問題であると考えることができます。その背景には平均賞与額の減少幅の大きさを指摘することができるでしょう。また企業規模による給与水準の格差も拡大しており、少子化が進展する中で、若手労働力の大企業への集中・中小企業での採用難が懸念されます。



参考リンク
国税庁「平成17年 民間給与の実態調査結果」
http://www.nta.go.jp/category/toukei/tokei/h17/minkan.htm


(大津章敬)


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