DC設計における想定利回りは平均2.26%
先日、企業年金連合会より「『確定拠出年金に関する実態調査』結果概要」という33ページに及ぶ資料が発表されました。規約数1,898件に対し調査票を送付し、521件の有効回答を得たという非常に大規模な調査で、非常に興味深い内容が多く含まれていますので、数回に亘って、そのポイントをご紹介したいと思います。
他制度の併用状況
DCを導入している企業における他制度との併用状況ですが、DCのみの企業は約4割、DC+他の1制度という企業が約5割という結果になっています。なお制度併用を行っている企業のDCの採用割合(平均)ですが、2制度の場合が44.4%、3制度併用の場合が29.8%となっています。なお中小企業で多いDC+退職一時金というパターンでのDCの採用割合は49.1%となっています。
掛金の算定方法
DCの掛金算定方法については以下のような回答となっており、「一律定率」と「職種、資格、等級で段階的に設定」の2つで全体の約8割強となっています。
□一律定額 75件(14.6%)
□一律定率 221件(43.1%)
□職種、資格、等級で段階的に設定 204件(39.8%)
□定額と定率との組み合わせ 13件(2.5%)
□無回答 8件
拠出限度額への到達状況
最近、拠出限度額の引き上げ要望が強く主張されていますが、加入者の拠出限度額への到達状況は、78.1%の企業で「全員が限度額内」に収まる一方で、21.9%の企業で「限度額に達し調整している」と回答しています。また調整している企業の対応に関しては、61.7%が「超過分は前払いで現金支給」し、次いで28.0%が「退職一時金、DB型制度に反映」させているという結果が出ています。
短期加入者の事業主返還規定の有無
短期加入者の事業主返還規定の有無については、64.7%の企業で「事業主返還の規定がある」と回答しており、そのうち94.8%で「勤続3年未満は全員掛金返還」と定めています。
想定利回り
DCの制度設計においてもっとも重要な想定利回りは、平均で2.26%。なお、その分布は以下のようになっています。
□0.0% 9(2.5%)
□0.0%超1.0%以下 19(5.3%)
□1.0%超.1.5%以下 28(7.8%)
□1.5%超2.0%以下 105(29.4%)
□2.0%超2.5%以下 137(38.4%)
□2.5%超3.0%以下 37(10.4%)
□3.0%超5.0%以下 20(5.6%)
□5.0%超 2(0.6%)
参考リンク
企業年金連合会「『確定拠出年金に関する実態調査』結果概要」
http://www.pfa.or.jp/top/toukei/pdf/dc_chosa.pdf
(大津章敬)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。