社会保険の全喪事業所等の公表
先日、社会保険庁から「全喪事業所等の地方社会保険事務局ホームページ等への公表について」という資料が発表されました。
社会保険は労働保険と比較し、その保険料が高額になることから企業への負担感が大きく、本来適用事業所でなければならないにも関わらず、非合法に脱退するという事例が少なくないと言われています。今回の措置は、その違法脱退問題への対応手段のひとつであると考えられます。
今回発表されたのは、平成18年4月1日以降に政府管掌健康保険・厚生年金保険(以下「社会保険」という)の適用事業所に該当しなくなった場合の届出(全喪届)を提出した事業所名を、地方社会保険事務局のホームページで公表するという内容。この主な目的として、以下の2点があげられています。
全喪届が提出された事業所の被保険者であった人も、当該事業所が社会保険の適用からはずれ全喪事業所となったことについて確認できるようにすること
全喪事業所が事業の再開をした場合に、被保険者となるべき人が社会保険の適用状況を確認できるようにすること
つまり、被保険者の権利の保護を図る観点から、速やかに届出が行われよう「適正な届出の励行」の一環として実施することとされています。
以前から社会保険庁のホームページには47都道府県の地方社会保険事務局のホームページリンクが準備されており、いつでも公表できる状態になっています。今回の取り扱いに関しては、11月15日から順次、 全喪届の情報(事業所名称、事業所所在地および全喪年月日)が掲載されることとなっています。今回はまずこの公表が実施されますが、将来的には労働保険の適用事業所との喪失状況の比較なども行われると考えられます。
参考リンク
社会保険庁「全喪事業所等の地方社会保険事務局ホームページ等への公表について」
http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1109_1.html
社会保険庁「適用事業所(制適用事業所とは?)」
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/iryo04.htm
(宮武貴美)
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