キャリアプランニング

 社員が、将来の自分のキャリアを思い描くように形成していくには、まず計画を立てるところから始まります。この計画を立てている状態をキャリアプランニングと呼んでいます。そして、この計画を実行していくためには、その前段階として、キャリアビジョンとキャリアプランが必要になります。そこで今回は、このキャリアビジョンとキャリアプランに対する企業の支援についてお話しましょう。


 キャリアビジョンを設定するのは社員本人であり、また描かなければならない責任を負っています。現状を踏まえ、短・中・長期の目標を定めていきますが、特に仕事に限定せず、生活スタイルや趣味、あるいは人生のビジョンについても設定することで、より社員本人らしいビジョンができてくるでしょう。それでは、この点に関し、企業としてどのような支援ができるのでしょうか。まずキャリア初期教育といった研修を行って、社員にビジョンを持つことの重要性を認識させ、次にビジョンの実現に向けて、社員が責任を全うしていくことに対する動機付け(例えば、フリーエージェント制度や自己申告制度等の仕組みの用意)が必要になってくるでしょう。

 一方、キャリアプランの設定においては、どのような支援ができるのでしょうか。まずプランを立てる機会を設けることが初めのステップになるでしょう。それにはキャリアの計画表が必要であり、記入する項目を工夫することも重要になってきます。プランの中に従事したい仕事や将来においてそうなりたいと思う人物像を定め、それに必要な能力開発とそれを獲得するための手段を明らかにして社員は行動に移しやすくしていきます。また、社員から会社(上司)への要望の欄を設けて社員の声を聞いて反映させていく等、キャリアプランを推進する風土をつくることが欠かせないでしょう。更には会社としてのキャリア方針を策定し、社員に明示していくことで、社員はその会社で、どのようになっていきたいのかというイメージができてきます。会社としては、将来の仕事と社員のニーズを明らかにしておき、お互いの方向性をある程度揃えておくことが重要になってくるのではないでしょうか。


 それでは次回は「キャリア・ディベロップメント・プログラム」を紹介していきたいと思います。お楽しみに。


(福間みゆき)


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