給与計算で便利なEXCEL TIPS集「15分単位で集計をしたい!」

給与計算で便利なEXCEL TIPS集「15分単位で集計をしたい!」 約1ヶ月ぶりになる「給与計算で便利なEXCEL TIPS集」ですが、第15回として「15分単位で集計をしたい!」をお送りしましょう。


 ご存知の通り、労働時間の1日ごとでの端数処理は認められていません。昨今では労働基準監督署の臨検でもこの部分が指導事項として指摘され始めています。



【質問】
 当社ではパートタイマーの時間管理を1日につき15分で切捨てをして賃金の支払いをしていました。ところが先日、労働基準監督署の調査で1分単位での賃金の支払いを指導されました。そこで、日々については1分単位で計算し、1ヶ月の合計を15分単位で切り捨てようと考えています。Excelでよい集計方法はありますか。また、合わせて切り上げの方法も教えてください。


【回答】
 EXCELの機能FLOOR関数・CEILING関数を利用することで指定した単位で切り捨て・切り上げすることができます。


【解説】
1.FLOOR関数
■EXCELのヘルプ
 =FLOOR(数値,基準値)
 指定された基準値の倍数のうち、最も近い値に数値を切り捨てます。


 数値 対象となる数値を指定します。
 基準値 倍数の基準となる数値を指定します。


■利用方法
 =FLOOR( 19:47 , “0:15” ) → 「19:45」


2.CEILING関数
■EXCELのヘルプ
 =CEILING(数値,基準値)
 指定された基準値の倍数のうち、最も近い値に数値を切り上げます。


 数値 丸めの対象となる数値を指定します。
 基準値 倍数の基準となる数値を指定します。


■利用方法
 =CEILING( 19:47 , “0:15” ) → 「20:00」


【注意事項】
 数式を入れたセルはセルの書式設定を「時刻」に設定する必要があります。
 通常、[数値]はセルを参照して利用します。直接入力する場合は、「”19:47″」のようにダブルクォーテーションで囲む必要があります。


【まとめ】
 最近では集計つきのタイムカードシステムは当然となり、指紋認証やICカードにより時間集計をする事業場も増加しているようです。しかし、様々な要因により従来式のタイムカードを利用している事業場も多く、効率化の観点からいかに時間集計を手間なく行うかは課題となっています。Excelで日付・時間を取り扱うっていると独特なクセを感じることがあると思いますが、このようにうまく関数を利用することで、ミスなく効率的に作業ができるのではないでしょうか。


(宮武貴美)


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