東京都中小企業のモデル退職一時金は高卒1,048万円、大卒1,145万円
先日、東京都産業労働局より「平成18年「中小企業の賃金・退職金事情」調査の概要」という資料が発表されました。本日はこの中から、都内中小企業のモデル退職金について取り上げることとしましょう。この調査は、東京都事業所・企業統計台帳から抽出した3,500社の中小企業に対する調査ですが、100人以下もしくは300人以下の中小企業に限定した調査であり、中小企業の実態を見るという点では、比較的貴重な資料となっています。
それによれば、退職一時金のみ支給している企業の平成18年のモデル退職金は、高卒の定年退職時で10,487,000円、大学卒の定年退職時で11,454,000円となりました。平成16年に実施された前回調査と比較すると、なぜか全勤続年数区分で6%以上減少しており、定年退職金においては高卒で11.8%、大卒で14.7%の大幅マイナスとなっています。一方、退職一時金と退職年金を併用している企業のモデル退職金は、高卒の定年退職時で13,798,000円、大卒の定年退職時で15,496,000円となり、こちらもやはり前回調査と比較すると、退職一時金のみ企業に比べれば減少率は低いですが、ほとんどの勤続年数区分で減少しています。
なぜこれほどまでに大幅にモデル退職金が減少してしまったのかは公表されている資料だけでは読み取れませんが、世間のあらゆるモデル退職金データの中で、もっとも水準が低く、中堅中小企業の実態に近いのがこの統計です。御社の退職金水準検討などにご活用下さい。
参考リンク
東京都産業労働局「平成18年「中小企業の賃金・退職金事情」調査の概要」
http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2006/12/60gcj100.htm
(大津章敬)
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