キャリアマネジメント

 本日は、キャリア連載の最終回として、キャリアマネジメントというテーマを取り上げることとしましょう。社員はキャリア発達の過程においてそれぞれの経路を通り、様々なキャリア結果に至っています。キャリアマネジメントの目標は、社員の成長を会社の成長に結びつけることであり、社員にキャリアを実現(再実現)できる機会を提供しいていくことが求められています。


 それでは、会社は、それを実現するため、どのようなキャリア支援をしていけば良いのでしょうか。具体的には次の5つがポイントとして挙げられるでしょう。
実務的な教育だけではなく、長期的な視点に立った基礎教育
 目先の仕事をするために必要な教育だけではなく、リーダーシップやコミュニケーションに関する教育など、社員の5年後、10年後を視野に入れた基礎教育は、社員本人だけでなく周囲にも影響を与え、組織としての競争力を向上させることに繋がります。
キャリア教育
 特にキャリア初期においては、社員がキャリア開発について考えるように促し、それをデザインすることの必要性を理解させることが重要です。自己のキャリアデザインについての責任を社員に持たせることが、今後のキャリア成長の鍵を握ってくるでしょう。
キャリアプランの設定
 キャリアプランを設計できる機会を設け、会社が複数の選択肢や会社の求める人材像を提示することで、キャリアビジョンを描がきやすくする支援が求めらるでしょう。
支援体制
 キャリア開発には、社内の受け皿(体制・制度)を作るだけでなく、実際に生きた制度の運用がなければ支援していくことは難しいでしょう。
キャリア危機の回避・対処
 キャリア発達に伴って生じるキャリアの伸び悩みをどのように遅延させるか、あるいはその期間をどのように短縮させるのかについて、会社は社員の経験を活かすことで具体的な対策を打つことができるでしょう。キャリアのストレスについても、社員が相談できる相手(窓口)を備えておくことが重要であり、また上司や経営者の受容力が求められるのではないでしょうか。


 会社は、社員のキャリア発達のどの段階においても、その支援していくことが可能です。キャリアを社員と会社とが共有するものとして位置づけ、社員が自己のキャリアを成長させていく場面において、会社はその支援を行うことが重要であり、それが結果的には会社の成長にも繋がることになるでしょう。


(福間みゆき)


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