[労働時間制度改革]年次有給休暇制度の見直し(2/7)
昨日よりスタートさせた労働政策審議会の労働時間制度改革に関する答申についての連載ですが、本日は第2回目として年次有給休暇制度の見直しについて見てみることにしましょう。
[答申文書]
4 年次有給休暇制度の見直し
法律において上限日数(5日)を設定した上で、労使協定により当が事業場における上限日数や対象労働者の範囲を定めた場合には、時間単位での年次有給休暇の取得を可能にすることとすること
[ポイント]
答申書のこの箇所に関ついては以前もこのblogで取り上げましたが、最終的な答申においても、あくまでも労使協定を締結すれば、年休の時間単位の取得をできるようにするというスタンスになっています。よって、原則は従来どおり、1日もしくは半日取得であり、ただちに時間単位の取得を認め、その管理方法等を見直す必要はなさそうです。もっともこの時間単位の取得というのは従来より従業員からの要望が強い部分ですので、労働組合のある企業では早い段階から、その要求が出てくることが予想されます。企業としては金銭的な負担が急に増えるような内容ではありませんので、従業員の利便を考え合わせて、それを認めることも少なくないでしょう。しかし、実務上の管理は極めて煩雑になることが懸念されます。多くの企業の現場を見ていると、半日単位での付与を行っている場合などは、現状でもその管理が非常に煩雑ですが、今後はこれに5日という上限日数が設定された上で時間単位での管理を行う必要があるわけです。イメージとすれば20日の年休の者の場合、15日と40時間といった感じになるのでしょうか。これに前年度分が加わるのですから大変です。導入においてはその管理方法を十分に検討した上で、議論を進めたいものです。
参考リンク
厚生労働省「今後の労働契約法制の在り方について」及び「今後の労働時間法制の在り方について」についての労働政策審議会からの答申について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/12/h1227-4.html
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