会社の「燃え尽き症候群」対策
会社の中には様々なヒトがいますが、今回は「疲れているヒト」についてお話してみたいと思います。社員が疲れている理由は何でしょうか。一時的な繁忙によるためなのか、それとも特定のヒトに仕事が集中しているからなのでしょうか。また、その疲れは長時間労働によるものや責任の重さから発生しているものなど、要因が複雑に絡み合っているのでしょう。
職業病理のひとつとして「燃え尽き症候群」というものがあり、教育や医療などのヒューマン・サービスの現場で起きるものとして問題視されてきました。最近では様々な仕事において人的な付加サービスが求められることもあり、特定の職業に限定されるものではなくなってきています。「燃え尽き症候群」はストレスの一種ですが、ある日突然襲ってくるという危険性があり、仕事に対してやり尽したという感覚が高くなり糸が切れた状態になるというものです。その結果、社員本人が職場を離れることもあり、会社を変えるだけでなく、まったく別の仕事に就くということもあります。これまでとは違う別の仕事に就いた場合、前職での経験を活かせる機会は少なく、社員本人のキャリアが途切れ、社員はキャリアの危機に直面することが懸念されます。会社としても、やっと育ってきた社員を失うことにもなりかねないでしょう。
この問題に対し、企業としてはどのような対策を講じておけば良いのでしょうか。「燃え尽き」は突然起こるとされていますが、その兆候を捉えるような仕組みや回避・予防する施策が欠かせません。社員本人が自己管理するために定期的にメンタルチェックを行ったり、異変に感じたときには上司やカウンセラーなどに相談できるような環境づくりが求められています。また、周りの同僚や家族が社員の変化に気づくこともあり、これらの人の声を拾っていく受け皿を設けることも対策のひとつに挙げられるでしょう。それでは次回は「コミュニケーション」についてお話したいと思います。お楽しみに。
(福間みゆき)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。