注目の労働基準法改正案 割増率と年休時間付与のみの小規模改定に止まる
昨年からホワイトカラーエグゼンプションなどの話題で非常に大きな注目を集めていた労働基準法の改正案が厚生労働省より公開されました。場合によっては戦後最大の改革となると言われてきた今回の法律改正ですが、PDFファイルでたった3ページの法律案要綱を見ると、結果的には割増率の引上げと年次有給休暇の時間付与の2点のみの改正に止まっています。ホワイトカラーエグゼンプションはもとより、企画業務型裁量労働制や管理監督職の範囲などの改革も削除されてしまっており、更には時間外の割増率については、3年間は中小企業への適用が除外されており、労働政策審議会労働条件部会での激論はほとんど反映されないという結論になりました。
制度の良し悪しという評価はともかくとしても、法律が実態から乖離している労働時間制度に関する問題にメスが入れられるということで期待をしていましたが、今回も本質的な議論に踏み入れることなく、小手先の改革に終始することとなりました。
参考リンク
厚生労働省「労働基準法の一部を改正する法律案」について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0313-4.html
連合「労働契約法案及び労働基準法の一部を改正する法律案の閣議決定にあたっての談話」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20070313_1173779411.html
(大津章敬)
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