届出漏れに注意!海外派遣社員の介護保険適用除外手続

介護保険適用除外等該当届 本日は不定期連載をしています「海外勤務特集」として、海外派遣社員の介護保険の除外について取り上げることにしましょう。



[質問]
 中国派遣を行う当社の社員は現在43歳です。給与からは介護保険料を徴収していますが、海外派遣社員は介護保険料がいらないという話を聞いたことがあります。この話は本当でしょうか?


[回答]
 その社員が日本に住所を有さない場合は介護保険の被保険者とならないため、届出を行うことで保険料の徴収は不要となります。(画像はクリックして拡大)


 まず、介護保険法では被保険者を以下の2つに定めています。
a.第1号被保険者
  市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
b.第2号被保険者
 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者


 長期の海外勤務を行う場合、通常は日本の住民票の除表を行います。これにより日本に住所を有さないこととなりますので、「介護保険適用除外等該当届」を社会保険事務所に提出することで、保険料徴収の対象外となります。ただし、被保険者ではないため、介護保険が提供するサービスを受けることもできなくなります。また逆に、帰国した際には被保険者となりますので「介護保険適用除外等非該当届」を提出し、保険料を支払う必要があります。なお、該当届を提出する際には添付書類として住民票の除票の添付が必要となります。


[まとめ]
 この規定は介護保険法に記載されているものであり、届出漏れが発生しやすいもののひとつです。40歳以上の健康保険被保険者が海外勤務となる場合の他、海外勤務中の健康保険被保険者40歳になる場合にも注意しなければなりません。


[関連条文]
介護保険法第9条(被保険者)
 次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。
 1 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。)
 2 市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」という。)



参考リンク
社会保険庁「健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書一覧」
http://www.sia.go.jp/sinsei/iryo/index.htm


(宮武貴美)


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