組織におけるコミュニケーション不全が組織に与える影響

 社内コミュニケーションの重要性が叫ばれるようになってから久しいですが、みなさんの会社の社内コミュニケーションの状況は如何でしょうか?同じ部門のメンバーがワイワイガヤガヤと議論をしながら仕事を進める組織もあれば、社員はパソコンの画面と睨めっこをするばかりで隣で仕事をしている社員にもメールで連絡をしている、そんな組織もあるのではないでしょうか。


 情報機器の発達により、コミュニケーションの方法は多様化しています。従来型のFace to Faceや電話に始まり、テレビ電話や電子メール、グループウェア、もしかするとセカンドライフのようなヴァーチャル空間もここに入るのではないでしょうか。こうした情報機器の発達により、仕事の進め方が変わっただけでなく、組織のコミュニケーションのあり方自体も大きく変化し、いまでは顔を合わせずとも用件が済んでしまうことも少なくありません。


 しかし一方では、Face to Faceのコミュニケーションの減少によって様々な問題が発生しています。同じ組織で働いている周りの社員がどのような人間で、どのような仕事をしているか分からないといった状況が増加しており、これが人間関係の希薄化やチームワークの低下、更にはOJTによる人材育成の機能不全といった様々な悪影響に繋がっています。また、こうしたコミュニケーションの問題に加え、仕事を個人単位で行う傾向が強くなっていることもあり、社員各々の考えや思いの共有や共感が難しくなっており、社員の孤立という問題も発生しています。


 こうした状況に対し、企業では様々な対策が進められています。例えば、最近、朝礼や会議を復活させる企業が増加しています。電子メールの普及により、用件を伝達するだけであればメールで十分なため、情報の伝達を目的とした朝礼や会議を廃止するという傾向が強まっていましたが、最近は朝礼や会議を復活させ、社員間のコミュニケーションを促進したり、心身の健康面の変調を確認するといった取り組みを行う例が増加しています。いずれにしてもこの「コミュニケーション不全の時代」には、次に挙げるような工夫を行い、社員同士が接触する機会を意図的に設けていくことが強く望まれています。
□社員旅行や運動会などの社内行事の復活
□全体集会など開催時の部門ごと指定席の廃止(社員に自由に座ってもらう)
□社内報などの活用による社員や部門の紹介
□他部門交流会の開催
□部門横断型の委員会などの設置


 こうした様々な工夫を通じて社内コミュニケーションを活発に行うことにより、会社の雰囲気はガラリと変わり、社員が働きやすい環境にも繋がっていきます。更には、社員同士が交流することで違った視点・考え方が結びつき、新しい仕事が生まれることも期待できるのではないでしょうか。


(福間みゆき)


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