[改正雇用対策法 Part1]労働者の募集・採用の年齢制限の禁止

改正雇用対策法 先日、愛知労働局から「募集・採用における年齢制限の禁止について」というパンフレットが公開されました。これは平成19年10月に施行される改正雇用対策法に沿ったものになっています。今回は、この内容を取り上げてみましょう。


 年齢制限については、平成13年4月に雇用対策法が改正され、事業主の募集・採用における年齢制限の緩和の努力義務が規定されると共に、労働者の募集および採用について年齢に関わりなく均等な機会を与えることについて事業主が適切に対処するための指針が発表され、平成13年10月1日から実施されていました。今回の改正により、これまで募集および採用に係る年齢制限の緩和について努力義務とされていたものが、募集・採用における年齢制限の禁止となります。


 具体的には10月以降は、労働者の募集および採用の際には、原則として年齢を不問とする必要があります。またこれは公共職業安定所を利用する場合のみならず、民間の職業紹介事業者、求人広告などを通じて募集・採用する場合や事業主が直接募集・採用する場合を含め、広く「募集・採用」を行うに当たって適用されることになっています。これまでは努力義務であったため、年齢制限を設けた求人票については、公共職業安定所で指導対象とされるに止まっていましたが、今後は資料の提出や説明を求められたり、受理自体を拒否されることも考えられます。


 年齢制限を設ける場合には「なぜ年齢制限を設けるのか」を再度検討する必要があるでしょう。今回は原則を取り上げました。次回はPart2として年齢制限を設けることができる場合の例外を取り上げます。


[参考条文]
雇用対策法 第7条
 事業主は、青少年が将来の産業及び社会を担う者であることにかんがみ、その有する能力を正当に評価するための募集及び採用の方法の改善その他の雇用管理の改善並びに実践的な職業能力の開発及び向上を図るために必要な措置を講ずることにより、その雇用機会の確保等が図られるように努めなければならない。


雇用対策法 第10条
 事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。



参考リンク
愛知労働局「募集・採用における年齢制限の禁止について」
http://www2.aichi-rodo.go.jp/topics/docs/07-09-04-1.pdf
厚生労働省「雇用対策法・地域雇用開発促進法の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other13/index.html


(宮武貴美)


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