社会経済生産性本部調査で生産性の評価が低いのは「事務・管理部門」「研究・開発部門」

生産性の評価が低いのは「事務・管理部門」「研究・開発部門」 先日、財団法人社会経済生産性本部から「企業の「生産性」に関するアンケート調査」の概要が発表されました。今回はこの内容を取り上げてみましょう。


 この調査結果は、上場企業256 社のアンケート結果をまとめたものであり、53.9%の企業が昨年度自社の「生産性は伸びた」とし、さらに59.4%の企業が、今年度は「昨年度より伸びる」とするなど、自社の「生産性向上」に自信をのぞかせる結果となっています(画像はクリックして拡大)。しかしながら、日本は、先進諸国の中では、特に製造業とサービス産業の生産性の格差が開いていることが低迷の原因として指摘されており、平成19年6月には「サービス産業生産性協議会」が発足するなど、官民力を合わせた取り組みが始まっています。


 また、調査結果のひとつに各部門の生産性評価があり、注視すべき内容が含まれています。それは、部門の生産性評価には大きな格差が存在しており(画像はクリックして拡大)、特に、製造部門が高く、事務・管理部門、研究・開発部門が低い結果が出ていることです。社会経済生産性本部の分析では、間接部門の評価はアウトプット測定の難しさが影響していると予想しており、確かにこれは現場でもよく耳にすることばです。


 今後、労働力が減少に向かう社会においては、生産性の向上はさらに重要なテーマとなることが容易に想像されます。間接部門においても業務分析を行い、業務の合理化・効率化を行う動きが更に一層加速することが予想されます。



参考リンク
財団法人 社会経済生産性本部「企業の「生産性」に関するアンケート調査」
http://activity.jpc-sed.or.jp/detail/01.data/activity000831.html
サービス産業生産性協議会
http://www.service-js.jp/index.php


(宮武貴美)


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