100万円の横領の場合、70.6%の企業が懲戒解雇を適用

100万円の横領の場合、70.6%の企業が懲戒解雇を適用 先日、労務行政研究所より「懲戒制度に関する実態調査」が4年振りに実施され、その結果が発表されました。この調査が面白いのは、30のモデルケースを設定し、もしもそのようなケースが起こった場合にはどの程度の処分内容になるのかを過去のケース等により回答させ、集計している点。以下ではそのデータをピックアップして見てみることにしましょう。


 左のグラフは30個のモデルケースのうち、懲戒解雇を適用するという回答が多かった上位10項目のデータをグラフ化したもの(画像はクリックして拡大)。中でもトップ3でかつ過半数の企業が懲戒解雇を適用すると回答したのが、「売上金100万円を使い込んだ 70.6%」「無断欠勤が2週間に及んだ 68.8%」「社外秘の重要機密事項を漏えいさせた 54.1%」というケースになっています。一方、道路交通法の強化により近年、社会問題化している飲酒運転ですが、「終業時刻後に酒酔い運転で物損事故を起こし,逮捕された」という場合に懲戒解雇とする企業の割合は40.4%となり、やはり懲戒処分においても厳罰化が進められていることが分かります。


 その他この調査では懲戒解雇・諭旨解雇時の退職金支給の有無など、興味深い内容が多く見られますので、関心のある方は是非現物をチェックしてみてください。



参考リンク
労務行政研究所「懲戒制度に関する実態調査」
https://www.rosei.or.jp/contents/detail/2726


(大津章敬


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