平成20年度からの健康診断項目 腹囲が追加されるなど変更に!

 労働安全衛生法で規定されている健康診断。労働者への安全配慮義務の観点からも、受診し、実施後の措置が重視されています。この健康診断の項目については、以前から見直しが検討されており、3点の項目が追加された改正労働安全衛生規則が平成20年4月1日より施行されます。



[改正内容]
腹囲の検査を追加する。
血中脂質検査について、血清総コレステロールの検査に代えて、低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)の検査を実施する。
 医師が必要でないと認めるときは省略できた検査項目から尿検査を除外する。(尿検査を必須とする。)


 なお、腹囲の検査については、次ののいずれかに該当する場合は省略可能となっています。(厚生労働省告示第248号)
  40歳未満の者(35歳の者を除く)
 妊娠中の女性その他の者であって、その腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断さ
れたもの
 BMI(体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m))が20未満である者
 BMIが22未満で、自ら測定した腹囲の値を自己申告した者


 この中の腹囲の検査は、新聞やテレビ等で頻繁に取り上げられているメタボリック対策であり、改正規則施行後は健康指導の重視がされるのではないかと思われます。なお、対象となる健康診断は、雇入時の健康診断、定期健康診断、海外派遣労働者の健康診断になっています。


[参考条文]
厚生労働省令第96号 労働安全衛生規則の一部を改正する省令
 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)の一部を次のように改正する。
 第43条第3号中「体重」の下に「、腹囲」を加え、同条第8号中「血清総コレステロール」を「低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)」に改める。
 第44条第1項第3号中「体重」の下に「、腹囲」を加え、同条第3項中「及び第6号から第11号まで」を「、第6号から第9号まで及び第11号」に改める。
 第45条の2第4項中「、第44条第3項」を「、同条第3項」に、「及び第6号から第11号まで」を「、第6号から第9号まで及び第11号」に改める。
 様式第5号を次のように改める。
 様式第5号(第51条関係)(1) 健康診断個人票(雇入時)
 様式第5号(第51条関係)(2)(表面) 健康診断個人票
 様式第5号(第51条関係)(2)(裏面) 健康診断個人票
 様式第5号(第51条関係)(3) 海外派遣労働者健康診断個人票


附 則
第1条(施行期日)
 この省令は、平成20年4月1日から施行する。
第2条(経過措置)
 この省令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。



参考リンク
山梨労働局「健康診断の項目についての規則改正のお知らせ」
http://www.y-roudoukyoku.jp/5/5-21.pdf


(宮武貴美)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。