ハローワークにおける派遣・請負の求人確認が厳格化
9月28日発行のメールマガジン(バックナンバーはこちらをクリック)冒頭で触れましたが、今年も全国各地の労働局では請負・派遣適正化キャンペーンが開始されており、昨年社会問題化したこの問題のインパクトの大きさを伺い知ることができます。この派遣や請負の問題では公共職業安定所(以下、「ハローワーク」という)の求人においても発生しており、先日厚生労働省から「ハローワークで受け付ける派遣求人等に対する取扱いの更なる徹底について」という文書が発信されました。本日はこの中から労働者派遣事業者に求められる対応について取り上げてみたいと思います。
そもそも、ハローワークでは労働者派遣事業者からの求人については、通常の求人とは区別し、「派遣求人」として以下の取扱いがなされています。
求人票の職種名の欄に(派)を表示
求人票の就業場所欄に派遣先の具体的な住所および事業所名を表示
雇用期間と派遣期間が異なる場合は、求人票の求人条件にかかる特記事項欄に派遣期間を表示
就業場所別、職種別に求人票を作成
求人の受理は、派遣先が確定しており速やかに雇用関係を結ぶことが明らかである場合に限定
から分かるように、あらかじめ派遣先が確定していなければハローワークに求人を出すことができません。これに対し、これまでは派遣求人に係る労働者派遣契約等については、主に求人申込書の記載内容および口頭で確認していました。しかし現実には労働者派遣事業者および請負事業者が、ハローワークの求人において、最近、派遣労働者の登録を目的として、派遣先が確定していないと疑われる求人を多数申し込んでいる事案が発生したことにより、ハローワーク利用者や派遣先とされた企業から多くの苦情が寄せられているという実態があるようです。こうした問題に対応するため、今後は求人を受け付ける際に、求人(対価を払って自己のために雇用関係によって他人の労働力の提供を求めようとすること)であることを確認するため、契約書等を確認する他、書面等により確認できない場合は派遣先に対し確認されることとされています。
労働者派遣事業者については具体的な対応が求められるほか、派遣先の事業所においても問い合わせ対応などが求められる可能性があります。10月からは求人における年齢制限禁止も合わせて行われているため、ハローワークの求人窓口は多少の混雑が発生するかも知れません。
参考リンク
厚生労働省「ハローワークで受け付ける派遣求人等に対する取扱いの更なる徹底について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/09/h0928-1.html
(宮武貴美)
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