常時介護を必要とする状態に関する判断基準
最近、複数のお客様から立て続けに介護休業の対象者に関するご質問を頂きました。そこで今回はこの介護休業における対象者の判定基準について取り上げたいと思います。
そもそも育児介護休業法では、介護休業について「要介護状態にある対象家族を介護するためにする休業」と定義付けており、要介護状態を「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態」としています。実務においてもっとも問題になりやすいのは、この「要介護状態」の判断であり、通達(常時介護を必要とする状態に関する判断基準 平成7年婦発第277号・職発第696号)は、左表の通り常時介護を必要とする状態に関する判断基準を設けています。(画像はクリックして拡大)
育児介護休業法等で定められている基準は、介護保険制度における「要介護状態」と必ずしも一致するものではないため、申し出があった際には、この通達で示されている基準に従って慎重に休業させるかどうかを判断しなければなりません。介護休業は、法定の日数が少ないこともあり、育児休業と比較するとまだまだ取得率の低い水準にあります。しかし、高齢化の進展と制度に関する認知の高まりにより、今後、取得の申し出は増加することが予想されます。休業申し出の際にどのような確認書類の提出を求め、どのような手順で進めるのかを検討し、ルール化しておく必要があるでしょう。
参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/aramashi.html
東京労働局「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」
http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kintou/ryoritu5/shiryo8.pdf
(宮武貴美)
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