大熊社労士登場!

 12月のある午後、社会保険労務士である大熊純雄の事務所の電話が鳴った。



大熊社労士大熊社労士:
 はい、大熊社労士事務所です
宮田部長:
 大熊さん、ご無沙汰しております。服部印刷の宮田でございます。
大熊社労士:
 おおっ、大熊です。こちらこそご無沙汰しております。退職金制度改定(大津章敬著「中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル(日本法令)」参照)の際にはお世話になりました。退職金制度の施行は昨年の9月でしたから、ほぼ1年振りですね。制度運営でなにか問題でもありましたか?
宮田部長宮田部長:
 いえいえ、お陰様で退職金制度の方は問題もなく、運営できています。今日お電話させて頂いたのは、最近、人事労務全般でいろいろと問題が起きているものですから、一度お会いしてご相談させて頂きたいと思いまして。近日中に、一度ご来社頂けませんか?
大熊社労士:
 そういうことでしたか。分かりました。それでは来週の月曜日の午後からでいかがでしょうか?
宮田部長:
 ありがとうございます。月曜日の午後であれば、社長の服部も都合が良いと思います。それでは13時半にお待ちしております。





 そして、月曜日。大熊は1年ぶりに服部印刷を訪問した。服部印刷は中部地方にある社員数50名、資本金3,000万円の印刷業。1965年に服部社長の父が創業したが、2000年に創業者の死亡により、服部が2代目社長に就任している。



服部社長服部社長:

 大熊さん、お久し振りです。今日はお忙しい中、ご来社頂いて申し訳ない。
大熊社労士:
 いえいえ、こちらこそありがとうございます。このようにお声をお掛け頂くのは光栄です。なんでも今回は、人事労務全般についてという風に宮田部長からお聞きしていますが、なにか問題でも発生したのですか?
服部社長:
 いやいや、別になにか具体的な問題が発生したということではないんですよ。ただ、最近は求人難で人材が集まりにくくなってきました。そこで少しでも現有社員に力を発揮してもらえるように、人事労務環境の整備を行いたいということが一つ。そしてもう一つは、新聞を見ていると法改正の話題が連日のように出ているじゃないですか。
大熊社労士:
 そうですね。最近はホワイトカラーエグゼンプションという制度が検討されているだとか、パートタイマーへの社会保険の適用拡大なんていう話題がよく掲載されていますね。
宮田部長:
 そうそう、ホワイトカラーなんとかというのは良く分かりませんが、パートの社会保険の件は困りますね。当社でも15人ほどのパートさんに働いてもらっていますが、社会保険適用なんてことになったら、大変です
服部社長:
 そうだなぁ…。まぁ、そんな状態ですので、大熊さんには定期的にご来社いただき、当社で日々起こる諸問題の相談に乗って頂くと同時に、人事労務管理の基礎をレクチャーして欲しいと思うのです。お願いできますか?
大熊社労士:
 もちろんです。私の事務所では、働く人が『この会社に入って本当に良かった』と思い、安心して自らの仕事に邁進できる環境を構築することによって、前向きな活き活きとした組織風土を醸成し、企業の発展を実現する。結果的にそれが労使双方のハピネスを作り出し、社会のハピネスを創造するというミッションを掲げています。今回のご依頼はこのミッションにピッタリのご依頼ではないですか。喜んでお受けします。
服部社長:
 そうですか。ありがとうございます。それではよろしくお願いします。
大熊社労士:
 それでは、早速今日から始めましょうか。人事労務に関し、いろいろお悩みのことがあると思いますが、その中でも最初に思い浮かぶ問題は何でしょうか?
服部社長:
 そうですね、早速ですが…。


>>>to be continued



参考リンク
厚生労働省 労働政策審議会 労働条件分科会
http://www.mhlw.go.jp/shingi/rousei.html#jyouken
大津章敬「中小企業の退職金・適年制度改革実践マニュアル(日本法令)」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4539719599/roumucom-22


(大津章敬)


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