今春の大卒事務系初任給平均は前年比プラス1,191円の206,969円

 先日、日本経団連より「2008年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要」という資料が発表されました。この調査は、日本経団連企業会員および東京経営者協会会員会社2,050社を対象に実施されたもので、回答社数は747社(製造業48.9%、非製造業51.1% 従業員500人以上規模73.1%)となっています。
事務系
 大学院(修士)卒 224,742円(前年比0.54%プラス)
 大学卒 206,969円(前年比0.58%プラス)
 短大卒 172,621円(前年比0.65%プラス)
 高校卒 161,403円(前年比0.72%プラス)
技術系
 大学院(修士)卒 227,223円(前年比0.54%プラス)
 大学卒 208,812円(前年比0.55%プラス)
 高専卒 181,334円(前年比0.54%プラス)
 短大卒 175,214円(前年比0.49%プラス)
 高校卒 163,174円(前年比0.54%プラス)
現業系
 高校卒 163,288円(前年比0.62%プラス)
 中学卒 141,005円(前年比0.62%プラス)


 今回は日本経団連の調査ですので、基本的には大企業のデータとして理解する必要がありますが、今春の初任給水準は大学卒事務系で206,969 円となり、大学卒事務系の対前年上昇額は2年連増1,000円超えの1,191円という結果となりました。このように毎年、じわりじわりと初任給水準が上昇しており、いわゆる賃金カーブの中だるみなど、既存社員とのバランスの問題が発生していますが、来年は少し状況が落ち着くかも知れません。というのも、初任給の改定を行う企業は2003年の91.4%をピークにここ数年で激減しており、今年は何とか5割(52.0%)を上回ったものの、企業業績の先行き不安感の高まりなども勘案すれば、来春の初任給は据え置きとする企業が相当数増加するのではないかと予想しています。ここ数年過熱気味であった就職戦線も、そろそろ少し冷静さを取り戻して欲しいと人事労務の実務家としては願いたいところです。



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2008年6月18日「日本経団連の2008年大手企業企業賃上げ調査 最終集計の結果は6,271円(1.95%)」
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参考リンク
日本経団連「2008年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/059.html


(大津章敬)


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