厚生労働省 電子申請利用拡大に向け、21手続を「重点手続」に位置づけ
行政に対する各種手続きの電子化については、平成18年1月に「IT新改革戦略」が策定され、平成22年度までに国の手続におけるオンライン利用率を50%以上とする目標に向け、様々な対策が進められているものの、オンライン利用はあまり進んでいない状況が続いています。この状況を改善すべく政府は、既にオンライン化された手続のうち、国民や企業による利用頻度が高い年間申請等件数が100万件以上のものおよび100万件未満であっても主として企業等が反復的又は継続的に利用する手続等を「重点手続」として分類し、重点的にオンライン利用を進めていくこととなりました(画像はクリックして拡大)。
厚生労働省関係では、以下の21の手続きが重点手続きとして選定されています。
[労働局・労働基準監督署]
(1)概算・増加概算・確定保険料申告書
(2)概算保険料の延納の申請
[ハローワーク]
(1)雇用保険被保険者資格取得届(※)
(2)雇用保険被保険者資格喪失届(※)
(3)高年齢雇用継続基本給付金の申請
[社会保険事務所]
(1)健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届(※)
(2)健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届(※)
(3)健康保険・厚生年金報酬月額算定基礎届(※)
(4健康保険・厚生年金報酬月額変更届(※)
(4)健康保険・厚生年金賞与支払届(※)
(5)年金受給権者現況届(※)
(6)厚生年金保険被保険者住所変更届(※)
(7)健康保険・厚生年金保険被保険者氏名変更届(※)
(8)国民年金・厚生年金保険年金受給権者死亡届(※)
(9)年金受給権者住所・支払機関変更届
(10)国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認届
(11)健康保険被扶養者(異動)届
(12)国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書
(13)国民年金保険料還付請求書
(14)国民年金・厚生年金保険老齢給付裁定請求書(ハガキ形式)
(15)年金手帳再交付申請書
具体的には、役所の窓口にパソコン等を設置したり、住民基本台帳ネットワークを活用して、手続自体を簡略化できる手続の拡大を行うなどの対策が実施されます。また社会保険庁関連の手続きについては、 社会保険労務士の協力を得て、適用事業所に対し電子申請の利用勧奨を行うということを計画(予算要求中)されているようです。こうした取り組みにより、平成25年度末のオンライン利用率を70%(上記※の先行手続きについては平成23年度末に65%)まで引き上げるという目標が設定されています。
今回、重点手続の設定という具体的な対策が示されたことにより、電子申請の環境整備が進むことを大いに期待したいところです。
参考リンク
厚生労働省「厚生労働省における「オンライン利用拡大行動計画」について」
http://www.mhlw.go.jp/sinsei/torikumi/09/index.html
(大津章敬)
当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。