運送業の交通労働災害防止のためのリスク診断サイト
運送業においては、業務形態から長時間労働が強いられる面が強く、慢性的な長時間労働が問題となっています。そのため、運輸局は各地の労働局と共同で、荷主関係団体へ過労運転による過重労働防止等労働条件の改善のための協力要請を行っていますが、交通事故による死亡災害件数は高水準で推移しています。このような現状があることから、社団法人全日本トラック協会では、交通労働災害を防止するために、労働時間管理や走行管理に関するリスクの見積もりを行うサイト「陸運業の交通労働災害防止のための「リスクアセスメントシート」」を開設しています(画像はクリックして拡大)。
サイトでは、交通災害につながるリスクを次の6つに分類し、具体的に項目をチェックできるようになっています。
管理体制の不備なことに起因するリスク
労働時間の管理が不備なことに起因するリスク
走行管理の不備なことに起因するリスク
健康管理が不十分なことに起因するリスク
教育・訓練等が不十分なことに起因するリスク
意識の高揚が不十分なことに起因するリスク
チェック項目は全部で41の質問からなっており、このチェックを行うことで全体のリスクレベル(リスク低い~非常に高いの4段階)を把握することができます。また、項目ごとにリスク評価点が表示されるようになっており、評価点が3点と表示された項目については、早急に対応することが求められています。改善に向けて何から着手していくべきか困っているときに、判断材料の1つとして活用できるのではないでしょうか。
やはり、ドライバーの安全と健康を確保していくためには、ドライバー任せにするのではなく、会社の管理体制が機能しているか否かが決め手となります。まずは運転時間などの労働時間を把握するとともに、点呼時に健康状態を確認するなどの対応を徹底していきましょう。
参考リンク
社団法人全日本トラック協会「陸運業の交通労働災害防止のための「リスクアセスメントシート」」
http://www.jta.or.jp/member/risk_ass/index.html
大阪労働局「貨物自動車運送事業における過労運転による過重労働防止等労働条件の改善のための協力要請について」
http://osaka-rodo.go.jp/topic/10.22kamoyu/10.22unyukyoku.html
厚生労働省「新たな交通労働災害防止対策の推進について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0403-2.html
安全情報センター「平成20年における業種別・事故の型別死亡災害発生状況[速報値]」
http://www.jaish.gr.jp/user/anzen/sok/2008/h20_fa02.html
(福間みゆき)
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