40.5%の企業が賃金改善なしと回答した今年の春闘
今年の春闘も先日よりスタートしていますが、まだ統計など具体的な資料は出てきていません。しかし、そんな中、帝国データバンクより「2010年度の賃金動向に関する企業の意識調査」の集計結果が公表されました。今春の春闘の動向を先取りするには非常に面白い資料となっていますので、以下で取り上げましょう。この調査は今年の1月下旬に実施されたもので、調査対象は全国21,781社、有効回答企業数は10,651社となっています。
まず注目の2010年度の正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)についてですが、賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業は31.8%となり、一方、「ない(見込み)」と回答した企業は40.5%となり、依然、厳しい賃金動向が続くと予想されます。これに対し非正社員においては、54.3%が「賃金改善の見込みなし」と回答し、「ある見込み」は12.8%にとどまっています。このように正規・非正規共に厳しい春となりそうですが、特に非正規社員については雇用の不安定さが更に強まる懸念もされているだけに、当面は雇用不安が高い水準に継続することになるでしょう。
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参考リンク
帝国データバンク「2010年度の賃金動向に関する企業の意識調査」
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/keiki_w1001.html
(大津章敬)
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